世界最後の朝を君と
一瞬、言っている意味が分からず、頭がフリーズしてしまった。

「どういう…ことですか」
「そのまんまの意味。純輔に近づかない…いや、話さないでほしいんだけど」

言葉を失ってぽかんと口を開けている私を見て、西ヶ崎さんは付け加える。

「あ、言っとくけど、私が純輔の事がどうとか、そう言うんじゃ無いから! あんなキモい陰キャ、好きになる訳無いし。てか喋りたくも無いし。私はただ単に立花さんの事を思って言ってあげてるだけ!」

自分の悪口を言われた訳でも無いのに、西ヶ崎さんの言葉一つ一つが心に突き刺さり、ずきんずきんと痛む。

そんな私の心情もお構い無しに、西ヶ崎さんは続ける。

「この際だから言うけど、アイツが話してるの…いや、教室に居るのさえ見たくないの。もうお願いだから、アイツと話さないでくれる? はっきり言って目障り」

彼女の瞳はひどく冷酷だった。

西ヶ崎さんは無機質な笑顔を貼り付け、私の横を通り過ぎる際に、ボソッと呟く。

「このまま仲良くしてたら…どうなっても知らないからね?」
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