世界最後の朝を君と
次に気がついたのは夜中の1時半だった。

涙もすっかり枯れて、泣き疲れた私は春巻きの具のように毛布に包まったままで、ベッドの上で横になっていた。

電気の消された部屋にお母さんはいない。

どうやら泣き疲れて寝落ちしたらしい。

「喉…渇いた」

不意に喉の渇きが気になり、キッチンに向かおうと立ち上がると、右から水の入ったグラスが差し出される。

私は「ありがとうございます」と何の躊躇いもなく受け取り、一口水を飲んで、はたと手を止める。

…ん?
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