『遠距離』恋愛。
入院に必要な道具を一通り持って、翌日出勤した。
「小宮先生、当直替わっていただいて本当に申し訳ないです!ありがとうございました!本当に助かりました!」
「大したことないよ、大丈夫。相川先生は?荷物準備できた?」
「はい、一通り持ってきました!」
「よし、産科医が一般の妊婦さんたちと同じ病棟だと流石にあれだから相川先生は個室にいてもらう。」
「わかりました。」
「普段はVIP室で使われてる。もう、診察とか検査とかもその部屋でする。」
「はい、、。」
「妊婦さん来る前にちゃちゃっと相川さん診察しちゃいたいから部屋行ってて。俺道具とか器具とか準備してから行くから。」
「わかりました。」

初めて入るVIP室。
個室だけど、すごく広くて普通のリビングみたい。
テレビもソファもある。
興奮していると準備が終わった小宮先生がノックしてきた。
「入るぞー。」
「は、はい!」
「はいはい、相川先生。VIP室に興奮してないで。早く診察台上がってください。」
「すごく広いですよね!」
「そりゃあVIP室だからなぁ。有名人とかこの病院のお偉いさんの親族とかが入るんだよ、普通は。」
「へぇー。じゃあ私は普通じゃないんですか?」
「そうだよ、前代未聞だよ。」
「えへへ」
「早く診察台上がって。俺の妊婦さん来ちゃうから。、、、まぁ、お前も俺の妊婦なんだけどさ。」
「そうですね、」
診察台にあがる。普段妊婦さんたちってこんな気持ちなんだ、、。
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