『遠距離』恋愛。
腰のあたりでカーテンが引かれ、小宮先生の姿が見えなくなる。

「触るぞ。」
小宮先生の声が聞こえた。
先生の手が触れる。
やっぱり怖くて、体を引いてしまった。
「相川先生、やっぱり俺じゃない方がいいと思いますよ。ほかに女性の先生いらっしゃいますし。」
「、、いや、大丈夫です。お願いします。」
「本当に大丈夫か?」
「はい。大丈夫、、です、」
「わかった。じゃあパパッと終わらせるから。」
「お願いします、、」


私はいつも診察する側だからすごく変な感じ。
先生の診察は、すごく優しかった。
多分、優しくしてくれてたんだと思う。

「終わったぞ。」
「ありがとうございました、、」
「母体の負担も赤ちゃんの負担も減らすために、お産は帝王切開だけどいいよな?」
「はい。」
「腕出して。」
「なんで、、ですか?」
「なんでって、血圧上がるの抑える点滴打つんだよ」
「て、点滴⁉︎」
「そうだけど、、、」
「むりむり、むりですよ!点滴なんて、いやです!」
「子供じゃないんだから。」
「やだぁぁ、、」
「腕出して。」
渋々腕を出す。先生が私の腕に触れて血管を探している。やっぱり震えてしまう。
「震えると血管探せないし刺す時失敗する。だから、点滴は看護師さんにやってもらおう。」
「、、はい。すみません、、」
「じゃあ俺は診察戻るから。」
「ありがとうございました。」
後から来た看護師さんは点滴刺すのが超上手だった。聞くと、小宮先生が点滴刺すのが上手なベテラン看護師さんに私の点滴をお願いしたらしい。
< 13 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop