『遠距離』恋愛。

そうこうしているうちに私が産科医になってから2ヶ月。ようやく仕事も様になってきて、妊婦さんや助産師さんたちとのコミュニケーションや突然のお産にも慣れてきた。
しかし、やっぱり男の人との接触は今でも無理だ。
小宮先生とも、あのことがあって以来あまりしっかりと話せていない。




「じゃあ、次は2週間後くらいにきてくださいね。つわりがひどくなったらいつでもきてください。」
「ありがとうございました」
今日の妊婦さんはこれでおしまい。
「相川先生、体調悪いんですか？」
ここ最近、気持ち悪くて顔色もパッとしない。妊婦さんの診察中も何度も吐きそうになるのをぐっとこらえて脂汗をにじませる毎日だった。
「いやー、ちょっと気持ち悪くて、、」
「大丈夫ですか？診察中も汗がすごいので、、。」
「つわりですかね⁉︎、、なんちゃってー。でも今の妊婦さんも辛そうでしたよね。」
「そうですねぇ。私は娘を産んだ時はつわりもなにもなくてしかも超安産だったので、、」
「娘さんいらっしゃるんですね！」
「そうなんですー。次年中になります。」
「えー！可愛い時期じゃないですか！会ってみたいです！」
やばい、これはやばい。吐く。
「そうなんですー。毎日癒され、、、大丈夫ですか
⁉︎相川先生⁉︎」
「すみません、気持ち悪くて、、。ちょっとお手洗いいってきます、、」
「ついていきます！」
「ありがとうございます、、」