『遠距離』恋愛。

「いや、すみません。忘れてください。」
「忘れられるわけないだろ！」
「え、、」
あまりの勢いに驚く。
そして、小宮先生が近づいてきて肩を掴んできた。
「産科医として、堕ろすという選択は正しいとは思えない！お腹にあるのはモノじゃないんだよ、もう命の宿った人間なんだよ！」
その勢いが、あの夜を連想させる。肩を掴まれていることにも恐怖を覚えて、身体中が震えて冷や汗が止まらなくなる。
小宮先生は私が震えているのを感じたのか、すぐに離れていった。
「ごめん。」
「、、、」
「ただ、俺の姉貴がすんごい無責任な人で。いろんな人とやって、何回も堕ろして。そんな姉貴を俺は許せない。無責任って言われた時、どうしても姉貴とは同じように見られたくなくて、あんな風になった。ごめん。」
「話します、、。」
「え？」