学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋ー【完】
――那也の家が見える場所まで送って、そこで別れた。
さすがに告白の返事待ちをしている状態で家まで……って言うのは、少し気が引けて。
終始、那也が考えているのもわかったから。
――そして母さんと羽咲にもそのことを軽くだけど話す羽目になって。
「お兄ちゃんが初恋かあ~、いやぁ妹ながら照れますなあ」
「……何言ってんだ? 総真のストーカー」
父さんも帰って来た夕食後のリビングのソファで、羽咲がニヤニヤしだした。
俺はノーパソで仕事の続き、羽咲はローテブルに勉強道具を広げているところだ。
父さんと母さんはダイニングテーブルにいる。
「ストーカーはしょうがないよ。私、お父さん似だもん。いいよね、お兄ちゃんはお母さん似で」
「ツラは反対だけどな」