学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋ー【完】
5 羽咲の名前をつけたの俺らしいけど……憶えてないな。
side那也
由羽くんに家の近くまで送ってもらって、さよならして、自分の部屋に入って、―――絶叫した。
「那也⁉ なに、どうしたの⁉」
数秒後、学がドンドンとドアを叩きながら大声を出した。
私が開けると、学はびっくりした顔で私を見て来た。
「な、那也? まさかだけど、由羽と喧嘩とかしちゃったの?」
そんなんじゃない……。顔を横に振って、学を手招きした。
私はベッドに腰かけて、学はラグに胡坐をかいて対面に座る。
……今日あったことを、話した。
「……それ、お互い告白し合ってない?」