学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋ー【完】
「人がどうこうではなく、ただ私が恥ずかしいからと言えばいいでしょうか……」
行き場のない手を空中でうようよさせて、必死に説得する。
教室で抱きしめてきた由羽くんだったら、人目とか場所とか全然気にしない気しかしない……!
「わかった。今は我慢しとく」
こくんと肯いた由羽くん。
「ごめんなさい……?」
「謝ることじゃないって。俺が一方的にそんなことしたら、付き合ってるって言っても犯罪に近いんだから」
優しい表情でそう言って、由羽くんがふっと手を浮かせた。
「? 由羽くん?」