学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋ー【完】
「―――」
え、嫌い、って……。
「那也に無理させるの嫌だし、嫌いまでいかなくても、那也が嫌だと思うことをやったり言ったりしたら、我慢せずに言ってほしい。なんていうのかな……対等? に、付き合って行きたいって思うんだ」
「………」
び、びっくりした……即日でふられるのかと思った……。
……私から、さっきまで私の頭を撫でてくれていた由羽くんの右手を、両手で握った。
「それなら、由羽くんもちゃんと言ってね?」
「? 俺?」
「対等って言うのなら、私もあると思うんだ。由羽くんの嫌なことをやってしまうこと。そういうときは、由羽くんも我慢しないで言ってほしい。……それくらいで由羽くんを嫌いになるとか、ないから」
「………那也、いい子過ぎるね」
「え……?」