学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋ー【完】
「ごめん、那也。こいつ俺の妹」
遅れて駆けつけた私に、そう紹介した由羽くん。
「えっ⁉ 由羽くんの妹って……」
美少女は、私を見て満面の笑顔になった。
「司羽咲です。もしかして、那也お姉さんですか?」
「は、はい、遠江那也です」
なんで私の名前知ってるんだろう。
「あの、一緒にいるってことは、那也お姉さんはお兄ちゃんの彼女さん……?」
うっ‼ そ、そういうの名乗るの、やっぱり恥ずかしいけど……。
「そう、です」
だ、大丈夫かな? いきなり妹さんに嫌われたりしないかな? こんなカッコいいお兄さんがいたら、お兄さんが大好きでもおかしくない――
「よかった~! じゃあ、はい」
と、私の左手と由羽くんの右手を繋げた羽咲さん。……え?
「仲良しはこうしなくちゃ」
にっこり笑う羽咲さん。私、由羽くんと手を繋いでいる。