【短】私が「好き」だと言っても貴方はただ、曖昧に笑うだけなのでしょう?
ぱたん、カードキー式の部屋のドアは静かに閉まっていく。

私はそこから少しズレてから、背もたれてもう一度溜息を吐く。

今度は群青色の深い深い溜息だった。


「あー…頭が痛い」


本当は心が痛むはずなのに、私の口からは全く違う言葉が何時も口をついて零れ落ちる。

それが、私なりのこの関係のやり過ごし方だ。

そうは思っても、やっぱり限界はある。

この頃はつい先の事を考えてしまっては、仕事中も意識が飛んでしまう事が、多々あった。




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