足あとが消えないうちに
ここで暮らしていくのに、こんな気持ちでは、きっと僕は、早々に参ってしまうかもしれない。
面と向かっていたら、今僕は、きみに頬を叩かれているだろうなんて承知です。虫のいいことを伝えていることも。自業自得だ。僕はあのとき、きみの言葉を遮ってこっちに来たのだから。
大切だった。大切で大切で、とても大切で、永続的な関係を結ぶのには、これが最良だとしてしまった。
けど今、僕は寂しくて寂しくて。死んでしまいそうなくらい寂しです。
きみに会いたいです。
赦されるのならば、この美しい世界を心からそうだと感じたい。きみと一緒に目にすることによって、それは叶うに違いない。
寒さにやられてしまわないように、ストーブとこたつを用意しました。防寒着も準備しておきます。風邪を患ったら精一杯看病します。雪かきは僕の仕事です。きみの大好物のアップルパイも、こっちでは美味しい材料が潤沢なので作ってみせます。他にもたくさん、名物は調べてあります。
赦され叶うのならどうか、どうか僕のところに来てほしい。
赦され叶わなくても、せめて会いたい。
一目だけでも。
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