君の変わらぬ明日のために
明日、明後日、明明後日。
また学校か、また勉強か、また会社か…と思っているうちにそれは過ぎ、気付けば30回目の春を迎えようとしていた。
7年前、第三次世界大戦と名付けられた戦争が始まった。
日本人は不安を覚えながらも、戦争に加わることはないだろうと、どこか余裕を持っていたのかもしれない。
しかし5年前、ついに政府はアメリラという国に強いられ、条件付きで戦争に参加しなければらならなくなった。
戦地へ行く人は、なるべく30歳以上の男性。
選ばれた者には赤い紙、つまり赤紙に名が記されたものが送られてくる。
友人や親戚の中でも、沢山のものが選ばれ、向かった。
幸運なことに、俺の知り合いの中で死んだ者はいない。
この時代、電波も張られているため、一応毎日連絡も取り合えた。
日本人は厳しい条件付きでの参加だったため、大半は事務的作業や怪我人の治療、武器の仕入れや爆撃機の整備などの担当者が多かった。
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