僕らは夜の月明かりに照らされて
部屋を見渡すと、楓くんとの思い出の品でいっぱいだった。

だって五歳ぐらいの時からずっと一緒にいるから。

出会ってからの時間のほとんどを楓くんと過した。

学校に行くのも、移動教室も。帰る時も。

授業中にノート回して落書きしたり、

美術の先生の似顔絵描いたりして先生にバレないように笑いを堪えてたり⋯⋯。

夏休みは二人のおこずかいを削って買ってきたちょっと高級なアイスを半分こしたり。

朝早くから海に行って夜遅くに帰ってきて、二人してお母さん達に怒られたっけ?
あの時のお母さん達怖かったなぁ。

でもこんな当たり前の日々⋯⋯。

今日もこれから、いつもの何気ない”普通の一日”が始まる。”普通”に見えてやっぱり違う一日が。
< 3 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop