僕らは夜の月明かりに照らされて

私たちが玄関から出るとそこには、幼馴染の2人。

三日月雅くんと篝月向日葵ちゃんが待っていた。

雅くんと向日葵ちゃんも学年トップの成績と、雅くんは楓くんと同じサッカー部の副キャプテン。向日葵ちゃんは私と同じサッカー部のマネージャーさん。

楓くんと同様、私のことは『ヒナ』って呼ばれる。

小さい時にみんな、私の名前が言えなかったから、『雛菊』の『ヒナ』を取ってるみたい。まぁ、家族もみんなそう呼ぶけど。

「ご、ごめん！お待たせ！」
と私が言うと

「ヒナ〜！おはよ〜！」

と言いながら向日葵ちゃんが私に抱きつく。

それを見た楓くんは呆れたように言った。

「おいおい。待ち合わせはマンションの玄関前だったろ？」

「いいの！ヒナに早く会いたかったんだから！」

と向日葵ちゃんが抗議する。

「ていうか、いちいち玄関前を待ち合わせ場所にする必要あるかなぁ･････。家隣なのに･････」

それを雅くんが呆れたようにフォローすると、向日葵ちゃんの後ろにいる雅くんに楓くんが絶句したような顔で言った。


「え？お前もその理由？」

「なわけないでしょ。向日葵について来ただけ。」