【短編】メロンソーダに溺れる
水分のなくなった口を潤すために、冷えたメロンソーダのカップを手前に持ってきて、チューとストローで口の中まで運ぶ。
透明のストローが、明らかに不健康そうな緑色に染まる。
メロンソーダが好きな理由その1は、これだ。
普段、甘いものをあまり摂取しないから、カップにたっぷりと入ったそれを体内に送り込むことが、少しの罪悪感で。
ちょっと悪いことしている気分が、好きなのだ。
甘い液体が、さっきまでのフライドポテトのしょっぱさをみるみるうちに消していき、
あっという間に、炭酸がチクチクと私の喉を刺激した。
これにはいつまでたっても慣れない。
大人になったら、気にせず飲めるようになるのかな。なんて。
喉に触れる炭酸の刺激で、少し眉間にしわを寄せる。
「ジュケンセーがこんなところでぼーっとしてていいの」
っ?!