KYOKO
第4章
*         鏡子の病室  
  早朝、ユーミンの「魔法の鏡」が流れている。
  鏡子の唇を湿らせてやる哲郎。  
哲郎「なぁ、鏡子、パパは、今回のソフトはたくさんの人に
楽しんでもらいたいって思ってる。
落ち込んでる人や明日に希望をもてなくなった人が
このゲームで少しでも元気になってくれればって、、、
そして、なにより、君に一番、喜んで欲しいと思ってる。
、、、君が気に入ってくれれば、たくさんのユーザーも
気に入ってくれるんじゃないかってね、、、」  
 セミの鳴き声。
  眠ったままの鏡子。
規則正しい呼吸音。
哲郎「、、、仕事の話ばっかだね、パパは、、、」          
鏡子「、、、」
哲郎「、、、君が9歳の時、夏休みに海外旅行する予定が、
結局、2日しか休みがとれなくて、
山梨のおじいちゃん家になっちゃった事があったね、、、」
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