KYOKO
*             回想;草原          
 草原の中央に大きな桜の木が一本、
  その側にお墓がたっている。
  歩み寄る哲郎。
桜の木とお墓。
  腰を落として手を合わせる哲郎。
  目を開けて
哲郎「しばらくだったな。
   調子はどうだ? 、、、
   オレの方は、、、見てのとおりだ。」
  風がながれる。
哲郎「、、、日が経つのは早いもんだな、、、
だけど、オレは、まだ自分のことを許せないみたいだ、、、
お前は、もうオレの事を許せているか、、、」
  後方から ”ガサガサ”という音、、、
  哲郎が振り返ると桜の木から葉が落ちる。
  見上げると木の枝に鏡子が座っている。
哲郎「何してる?」           
鏡子「お話」
哲郎「お話?、、、誰と?」
鏡子「ママ、、、」
  セミが鳴き止んで飛び去る      
哲郎「、、、そうか、、、危ないから降りなさい。」
鏡子「もう少し、ここにいる。」
哲郎「、、、」
鏡子「パパ、遊んでくれないし、、、」  
哲郎「、、、」

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