KYOKO
*              回想:近くの公園(3年前)
ひと回りして家に戻ろうとする哲郎。
  視線の先に二人乗りのバイク。
  後部シートを降りる人影。
  ヘルメットを外すが逆光のシルエットになって顔は判らない。
  一言、二言、言葉を交わして二人の顔が接近する。
  重なる。
  シルエットの一つがはなれて、走り去るバイク。
  哲郎、見つめる中、歩き出すシルエット。
  近づくにつれて顔がはっきりしてくる。
  哲郎、慌てて家に戻る。
      
*回想:リビングルーム(3年前)
哲郎、ソファでビールを飲んでいる。
  ドアが開く。
  鏡子がリビングに入ってくる。 
鏡子「、、、あっ、起きてたんだ。」
哲郎「、、、」
鏡子「、、、ただいま、、、」
哲郎「、、、」
鏡子「ちょっと、遅くなちゃったね、、、」
哲郎「何時だとおもってるんだ?」
鏡子「ごめん、、、なさい、、、」
哲郎「、、、今まで何してたんだ?」
鏡子「今朝、話したでしょ、調べてる事があるって。
   そのことで、ちょっと相談してたの、、、」
哲郎「、、、だれに?」
鏡子「友達よ、、、」
哲郎「どんな?」
鏡子「どんなって、、、話したでしょ、協力してくれる人がいるって。」
哲郎「男だろ。」
鏡子「、、、」
哲郎「鏡子、、、」
鏡子「、、、その言い方、イヤッ、、、」
哲郎「、、、なんだ、、、」
鏡子「、、、」
哲郎「、、、」
鏡子「、、、そうよ、いけないの?
   信頼できる人よ。誠実だし、、、」
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