KYOKO
第10章
*                夜間車内
  運転している哲郎。
  携帯電話が鳴る。
  車を路傍に止める。
哲郎「はい、、ああ、橋本か、どうした?」
  スローモーションで流れる対向車の光、、、
哲郎「、、、わかった。すぐ、戻るから、
   そのままにしておいてくれ。」
  バックミラーの下でシミの付いたマスコットが揺れる。

*             回想:朝の車内
  流れる景色。
  ナビシートの鏡子は車窓を見つめている。
  時折、鏡子を気にしながら運転をしている哲郎
哲郎「、、、白紙答案を出したそうじゃないか。」
鏡子「、、、」
哲郎「品行方正で 成績優秀な君が、こんな事をするなんてって先生が困ってたな、、、」
鏡子「、、、」
哲郎「、、、どうした?
   なんか言う事はないのか?」
鏡子「、、、」
哲郎「、、、オレと話すのもいやか?」
鏡子「、、、」
  鏡子のカバンに付いたマスコットが揺れている。
鏡子「降ろして、、、」   
哲郎「、、、パパは、、、オレは、君にママの事を黙っていたり、
つまらない余計な事を言って傷つけたりしたけど、、、
だけど、これだけは分っててほしいんだ、、、」
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