KYOKO
鏡子「、、、」
哲郎「、、、パパとママは大学時代に知り合って、、、
お互い初めて本当の恋というものを実感していたんだ。
やがて、パパとママは結婚した。
しばらくは、よかった、、、
パパの気持ちもママのために働く、という気持ちだったのが
次第に仕事そのものの面白さに気づいてしまって、、、」
モニターの中の鏡子が見つめる。
哲郎「でも、ママは純粋だった、純粋すぎた。次第にお互いの想いのバランスが崩れて、、、
特に、パパが大きな仕事を任されるようになって、家を空ける事が多くなると、
ママは、軽い精神障害を起こし始めた。
   そして自分の存在意義にまで、深く考えるようになってしまった、、、
   、、、純粋過ぎたんだ、、、」
鏡子「、、、」
哲郎の心声『だから、君が生まれるとわかった時、
ママは自分の分身ができる事に
どうしても耐えられなくなってしまった。
ママは、玲子は、中絶をしきりに訴えた。
受け入れられないと分かると今度は、自分をとるかお腹の
子どもをとるか、、、執拗に俺に迫った。もし、このまま子どもを生んでも、
きっといつか殺してしまうと言ってね。
実際、鬱状態の玲子は手がつけられなかった。
俺はなんとか、薬で玲子の精神安定をはかり君を生ませた。
しかし、君を生んだ直後、玲子の糸は切れてしまった。
そしておそらく、そのツケが今、まわってきているんだ。』
モニターの中の鏡子、哲郎を見つめている。
哲郎「結局、精神不安定なママを支えきれずにいたパパが、、、
   鏡子の言う通りパパが悪かったんだ。」
鏡子「パパ、、、」
哲郎「、、、」
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