KYOKO
*鏡子の病室
哲郎、眠っている鏡子の顔を見つめている。
看護師「ほんとにびっくりしましたよ、
   一時はどうなるかと思って、、、
   でも、もう容態は安定しましたから、大丈夫です。」
哲郎「どうも、ありがとうございました」
看護師「でも、不思議ね、あの時、目覚めたのかと、、、
   ほんとに目を開けて反応があったんですから、、、」
哲郎「、、、そうですか。」
  静かに眠っている鏡子。
規則正しい呼吸音。

*              哲郎のマンション
  哲郎、窓辺にレイアウトされた写真立てを見つめている。
  その中の一つを手にとる。
  抱きかかえられている鏡子の写真。
  写真たてのガラスを外してその折り畳まれた写真を広げる。
  鏡子、、、哲郎、そして鏡子を抱きかかえている玲子が映っている。

  哲郎、デスクの引出しから箱を取り出す。
箱のふたを開けて、中から黄ばんだ短冊を取り出す。
--パパにおりょうりのじょうずなママが
 できますように       きょうこ--
哲郎「まだ、健在だな、、、」
  短冊のひもを持って宙に舞わせる、、、
哲郎「、、、ん?」
  哲郎、短冊を持って裏を返す
--早く、パパと仲直りできますように                
 18歳の鏡子--
  そして、哲郎と鏡子の似顔絵。

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