カップいっぱいの幸せ
プリンは特別らしい。

まだ幼かったアイツに、俺がコッソリ作って食べさせていた

思い出の味だからだ。

もう、プリンって歳じゃないんだけどなぁ。

3歳下のアイツも、もういいオヤジなのだ。

「はい、笹さん。
食後のデザートですよ。」

毎回、アイツのご飯が終わると

咲ちゃんがプリンを出している。

端から見ると、姉弟の図だよなぁ。

さすが幼稚園の先生だけある咲は、精神年齢の低いアイツを

上手く扱ってる。

「圭兄、コーヒー!」

最近、自分の砂糖とミルクを用意して待つようになった咲も

俺にとっては、可愛い妹なんだ。

「熱いから、ヤケドするなよ。」

毎回同じセリフをいう俺も、相当な過保護だよな。
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