カップいっぱいの幸せ
「初めてここに来たとき、失恋したって言ったでしょう?
その時、同じ人を好きになった先輩のことを
私がバラしちゃったって……………。
その先輩の彼氏が、洋ちゃんなの。
商店街のパン屋さんで、みんなの相談役なんだ。」

「ヘェ。
洋介が、相談役。
洋ちゃんって。
変われば変わるもんだ。
おまけに、幼稚園の先生の彼氏。
随分若い彼女さんだね?」

「あっ………嫌。
…………咲ちゃんはどうしてここに?
ささと3人で飯って…………。
女の子が来る店じゃあないよね?」

「ええっ!ここって、いかがわしいお店だったの?!」

驚く咲に

「いいえ、ただの喫茶店です。
洋介、変なこと言うなよ!」と訂正する。

「だって、女の子が寄りつく喫茶店じゃないでしょ。
オヤジと昔馴染みくらいで。
咲ちゃんって、もしかして………
圭の彼女??
そう言えば、こんなところに寄ってていいの?
悠人が送ったはずでしょう?」

洋介の言葉に、悠人が絡んでると知って

益々慌てる。

「咲…………送って来る上司って……悠人?」

「えっ!圭兄って、悠人先生とも知り合い?!
私の好きだったのって……悠人先生だよ。
もしかして……唯先生も知ってる?」

「あぁ。」

なんだ、この狭い世間は。

そう言えば、初めに『たんぽぽ幼稚園』って言ってたような。

幼稚園なんて、縁がないから右から左だった。

悠人の幼稚園かぁ。

色々ややこしくなりそうで、頭を抱えてたら。
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