カップいっぱいの幸せ
改めて考えてみれば…………。

裏の仕事だからと、何も話さず

一人…………この広い部屋に置き去りにした。

アパートは危険だからと連れ出したが

その時彼女は……

『あそこは、人の足音さえ聞こえて………安心する。
一人じゃないと思える。』と話していた。

隣と筒抜けのベランダや男達の乱暴にかけ上がる階段の軋みが

安心すると…………。

それ程人恋しかった彼女を、連れ出しておきながら

理由も話さず一人にさせていた。

…………………………失敗した。
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