カップいっぱいの幸せ
玄関を開けて、二人の空間に入って直ぐ

「ごめんな。
…………………一人にした。」と謝った。

当然、泣かれるか

『寂しかった』と罵られると思ったのに

「……………大丈夫。」と答えただけだった。

とても大丈夫だと思えない顔色で。

「咲。」

俺の呼び掛けに、儚く笑って

「今日、犯人が捕まったって
さっき幼稚園から連絡が入ったの。
もう、大丈夫だから…………
明日自分の家に帰るね。
長い間、お世話になりました。
本当は、圭兄が留守にする前に言わないといけなかったんだけど………
一人は怖かったから言えなくて………ごめんなさい。
彼女さんにも謝っておいてね。」

…………………………………………はぁ??

彼女さん?

もしかして…………

俺が毎日居ないのは、彼女と会うためだと思ったのか??

そりゃ、理由も話さなかった俺も悪いが………

ムリヤリ連れてきて、自分は彼女と過ごすような男だと思ったのか?

何やら腹が立ち
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