カップいっぱいの幸せ
「一人でいる時に、玄関で物音がしても大丈夫?
幼稚園にそこまで恨みを持ってる犯人なら
付け狙うなんて有りそうだよ。
まぁ、怖くないなら無理には勧めないけどね。」

押してダメなら引いてみる。

意地っ張りな彼女には、この方法が以外に効くと

最近学習した。

合鍵を渡した時も、この方法を使ったから。

「もう!マスターの意地悪。
そんな事言ったら、今晩から安心して寝れないじゃない!
明日一睡もしないで仕事に行くはめになったら
マスターのせいだからね!!」

本気で不安なのか、涙目で訴える。

それなら『泊めて』って言えば良いのに。

甘えきれない彼女に、最後の言葉を投げ掛ける。

「明日があるならね。」

ニッコリ笑って意地悪言うと

「洒落にならないからやめて~
怖いんだから…………。
………………………お泊まりして……………良い?」

はい、良くできました。

「もちろん。
そのつもりで意地悪言ったんだから。
帰りに家に寄って、荷物を取りに行こう!」

俺の言葉が悔しかったらしくて

下を向いて、ブツブツ呟いてる。

負けず嫌いの後頭部を見るたびに、笑ってる俺がいる。

ホントに可愛い。
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