クールな御曹司と愛され新妻契約
内心パニック状態に陥りながら、ぶんぶんと首を振って、「冷泉様に婚約者役をしていただくなんて、滅相もないことです」と彼の提案を辞退する。
しかし彼は唇に弧を描き、大人の色気に満ちた微笑みを浮かべた。
「恋人はいませんし、婚姻届の件も気にしないでください。むしろ結婚してほしいくらいだ。俺は、あなたを一生解雇したくない」
「そ、それは、冷泉様が酔っているからそう思われているだけです」
「酔ってなんかいません。俺は本気です」
伝わる人肌の温度と冷泉様の真剣な眼差しに、私の胸は否応無くドキドキと高鳴り、瞳は困惑に揺れ、睫毛が震える。
こうやって冷泉様に触れられたことなど一度もなかった。それなのに、なぜ……?
彼の骨ばった長い指先が、私の手を更に包み込む。
今まで一度も小さいだなんて考えたことのなかった私の手が、途端に小さく見えた。
「でしたら……最初から俺と、〝契約結婚〟をしませんか」
耳元に唇を寄せられたまま、そっと甘やかな低い声音で囁かれて、体がぴくりと跳ねる。
け、契約結婚? どうして冷泉様と、私が!?
彼の突飛な案にひどく戸惑う。
だって、そんなの……!
しかし彼は唇に弧を描き、大人の色気に満ちた微笑みを浮かべた。
「恋人はいませんし、婚姻届の件も気にしないでください。むしろ結婚してほしいくらいだ。俺は、あなたを一生解雇したくない」
「そ、それは、冷泉様が酔っているからそう思われているだけです」
「酔ってなんかいません。俺は本気です」
伝わる人肌の温度と冷泉様の真剣な眼差しに、私の胸は否応無くドキドキと高鳴り、瞳は困惑に揺れ、睫毛が震える。
こうやって冷泉様に触れられたことなど一度もなかった。それなのに、なぜ……?
彼の骨ばった長い指先が、私の手を更に包み込む。
今まで一度も小さいだなんて考えたことのなかった私の手が、途端に小さく見えた。
「でしたら……最初から俺と、〝契約結婚〟をしませんか」
耳元に唇を寄せられたまま、そっと甘やかな低い声音で囁かれて、体がぴくりと跳ねる。
け、契約結婚? どうして冷泉様と、私が!?
彼の突飛な案にひどく戸惑う。
だって、そんなの……!