クールな御曹司と愛され新妻契約
「そんなの、現実的じゃないです!」

「そうですか? 利害が一致した良い案だと思いますが。俺は、あなたを一生雇いたい。あなたは、好きなだけ仕事に打ち込みたい。……そうですよね?」

彼がこちらを見つめる瞳の奥に、密かな熱が揺らめいているような気がして……自意識過剰になるな、と自分を叱咤する。

蜂蜜のように甘く色っぽい声音のせいで、今や私の脳内は驚きと、供給過多のときめきで既にパンクしていた。

「俺は便宜上、三並さんの夫として振る舞います。俺の家族には、あなたの会社にバレると厄介なので俺から口止めを。

三並さんは今まで通り、会社に出勤して仕事を続けてもらって構いませんが、ここの担当者はキャンセルすることになるので、代わりにあなたには俺の家に住んでもらうことになります。
日当を個人的にお支払いしますので、俺の契約内容は今までと変わらず家事全般と、妻同伴が必要なパーティーなどへの出席をお願いします。

どの時間帯にどれくらい働いていただくかは、後ほど詳細を詰めて……不都合なことがあればその都度、臨機応変に契約内容を変更していくことにしましょう」
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