クールな御曹司と愛され新妻契約
「千景さん、お待たせしました。本日のお弁当は――」
「おっと、それ以上は秘密に。麗さんのお弁当を開けるまでの時間も楽しみたいので」
お弁当を手渡すと、千景さんは宝物でも受け取ったかのように嬉しそうに微笑みを浮かべる。
まるで少年のような無邪気な笑顔に私はきゅーっと心を掴まれたまま、花が綻ぶように破顔してしまう。
「すみません、私もつい中身を早くお伝えしたくなっちゃって」
千景さんに会食の予定が入っていない日は毎朝お弁当を作ることになったのだが、これが何故だかとてもくすぐったい。
仕事でお弁当用の御菜を作り置きするなんて日常的なことだし、どのお弁当を作る時だって食べてくれる人の笑顔を思い浮かべながら、美味しく健康的に! を意識しつつ工夫を凝らして作っているのに、千景さんのお弁当を作るのだけは〝なにか〟が違った。
献立を考える時からワクワクし過ぎて浮き立つような、ドキドキするような……。
甘酸っぱい想いで心が満たされて、たまらなくなるのだ。
「おっと、それ以上は秘密に。麗さんのお弁当を開けるまでの時間も楽しみたいので」
お弁当を手渡すと、千景さんは宝物でも受け取ったかのように嬉しそうに微笑みを浮かべる。
まるで少年のような無邪気な笑顔に私はきゅーっと心を掴まれたまま、花が綻ぶように破顔してしまう。
「すみません、私もつい中身を早くお伝えしたくなっちゃって」
千景さんに会食の予定が入っていない日は毎朝お弁当を作ることになったのだが、これが何故だかとてもくすぐったい。
仕事でお弁当用の御菜を作り置きするなんて日常的なことだし、どのお弁当を作る時だって食べてくれる人の笑顔を思い浮かべながら、美味しく健康的に! を意識しつつ工夫を凝らして作っているのに、千景さんのお弁当を作るのだけは〝なにか〟が違った。
献立を考える時からワクワクし過ぎて浮き立つような、ドキドキするような……。
甘酸っぱい想いで心が満たされて、たまらなくなるのだ。