ストーカー
シャッター音
連続するシャッター音に視線を向けても、そこにあるのはいつもの登校風景だった。


あたしは一旦立ち止まり、周囲を念入りに確認する。


電信柱の影とか停車中の車の後ろとか。


しかし、どれだけしっかり確認してみても、先ほどの音の正体を確認することはできなかった。


空は青く、風もここちよく吹き抜けて行く。


「どうしたの?」


1人立ち止まってしまったあたしを見て、一緒に登校していた津田日菜(ツダ ヒナ)が数歩前で立ちどまって聞いて来た。


「ううん、なんでもない」


あたしは後方を気にしながらも、すぐに日菜と浅岡美咲(アサオカ ミサキ)に追いついた。


そして3人で歩き始める。


「遙、最近ぼーっとしてること多いよ?」


美咲にそう言われてあたしは苦笑いを浮かべた。


自覚はある。


日中でも眠くなったり、目が疲れて黒板をジッと見ていられなくて、つい他のことを考えてしまうのだ。


恐らく、ゲームのし過ぎのせいだった。


「また毎晩遅くまでゲームしてるんでしょ」


日菜に図星を突かれてあたしは頷いた。


最近発売されたホラーゲームが面白くて仕方ないのだ。

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