ストーカー
☆☆☆

放課後はあたしにとって特別な時間だった。


１人で教室を出て、グラウンドへと向かう。


「今日も頑張ってるなぁ」


グラウンドではサッカー部と陸上部がすでに練習を始めていた。


あたしは邪魔にならないようベンチに座り、サッカー部の様子を眺めるのが日課だった。


ブルーのユニフォームに着替えた璃桜を目で追いかけてため息を吐き出す。


誰よりも大きな声を出してチームをまとめているし、全員にパスがいきわたるように配慮しているのがわかる。


額を流れる汗でさえ、絵になっている。


自分の彼氏ながら、なかなかにカッコいい。


郁とパスを繋げてゴールへ向かう姿は、何度見ても見飽きなかった。


グラウンドのフェンスの向こう側では、女子たちが数人集まって見学している。


サッカー部のファンの子はこの学校の部活の中で一番多いみたいだ。


あの子たちの目的がどの選手なのかわからないけれど、璃桜だけはやめてよね。

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