ストーカー
遭遇
璃桜が送り迎えをしてくれるようになってから、数日が経過していた。


今のところシャッター音や視線を感じることはなかったし、家に写真が送られてくることもなかった。


犯人も、璃桜が一緒だと動けないのだろう。


そう思うと安堵すると同時に、犯人に見られている気がして気分が悪くなった。


「遙は、今日も璃桜に送ってもらうの?」


放課後、美咲にそう声をかけられたのであたしは頷いた。


最近は部活の時間を少しずらして、先に送って帰ってもらうようになっていた。


璃桜の部活が終るのを教室で待っている間に、なにかがあるかもしれないからだった。


「うん」


美咲の質問に頷いて答える。


すると美咲が何か言いにくそうな表情で近づいて来た。

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