ストーカー
☆☆☆

やっぱり、美咲たちと一緒に帰るべきだったかもしれない。


璃桜の部活が終るまで待つべきだったかもしれない。


そう後悔し始めたのは、家の屋根が見えた頃だった。


見慣れた家にホッとすると同時に、近くに立っている人物に気が付いたのだ。


目があった瞬間、あたしは立ち止まってしまっていた。


「西村君……」


「やぁ、偶然だね」


そう言って挨拶をする西村君の手には、デジカメが握られている。


背中に冷たい汗が流れていくのを感じた。


何度も聞いたシャッター音が、頭の中で繰り返し聞こえて来る。


「……どうしてここにいるの?」


「風景写真を撮影してたんだ」
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