ストーカー
でも、たったそれだけのことで付きまとわられるとは思えなかった。


それに、聞こえて来るのはいつもシャッター音だけだ。


ファンの子の中でカメラを持っているような生徒は1人もいない。


あたしはゆっくりとベンチに腰を下ろして、息を吐きだした。


嫌な汗が背中に流れて行くのを感じる。


「絶対気のせいなんかじゃないのに……」


ゲームのし過ぎでもなんでもない。


だけど正体はつかめないし、直接危害を加えてくるわけでもない。


どうすればいいのかわからなくて、あたしは拳を握りしめたのだった。
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