ストーカー
☆☆☆

誰かに追いかけられていた。


ソレは真っ黒な影をしていて、光を浴びても顔が見えなかった。


それは何度も何度もカメラをあたしへ向けて、無断で撮影し続ける。


あたしはソレから逃げるために必死で走っているのだけれど、思うように前に進まない。


ソレはあっという間にあたしの真後ろに追いついて来ていた。


「やめて!」


叫び声すらゆっくりで、まるで自分のものとは思えない。


影はあたしの体を後ろから羽交い絞めにして覗き込んで来た。


ニタリと笑う口もとだけが赤く染まって見えた。


「きゃあ!」


悲鳴を上げると同時に目を覚ましていた。


全身汗でビッショリだ。
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