ストーカー
チャイムが鳴ってから3分くらい経過しているから、もう諦めて帰っていることだろう。


階段を下りながら、玄関にばらまかれていた写真を思い出して途中で立ちどまってしまった。


また、あんな風になっていたらどうしよう?


そう思うと足がすくむ。


しかし、今は家にあたし1人しかいないのだ。


確認できるのはあたしだけ。


玄関の鍵はかかっているし、怪しい人影があればすぐに自室へ戻ればいい。


事情を知っている警察の電話番号だって聞いている。


きっと大丈夫。


自分自身にそう言い聞かせて、あたしは足を進めた。
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