ストーカー
ホッっとしたのもつかの間だった。


「なぁ、あれなんだ?」


璃桜がそう言い、家の玄関先へ指を向けた。


「え? なにが?」


そう質問しながら視線を上げる。


すると、お父さんが設置してくれていた防犯カメラが破壊されているのが目に飛び込んで来たのだ。


「うそ、なんで!?」


今朝までは壊れていなかったはずだ。


近づいてみるとレンズは粉々に砕け、カメラを固定していたネジも片方外れている状態なのだ。


「誰がこんなこと……」


璃桜が眉を寄せてカメラを見ている。
< 145 / 244 >

この作品をシェア

pagetop