ストーカー
「まさか西村君? でも、彼は警察に……」


「警察に連れていかれても、逮捕されたワケじゃないんだろ? それなら自由に動ける」


「そんな……」


西村君が警察の忠告を破って家にきた可能性はもちろんある。


けれど、犯人は他にもいるかもしれないという可能性も、ぬぐいきれなかった。


「西村君は暴力的なことはして来なかった。ただ写真を撮るだけだった」


「それがエスカレートしたのかもしれないだろ?」


璃桜の言葉にあたしは押し黙ってしまった。


そうかもしれない。


「警察の連絡先を知ってるんだろ? 伝えた方がいい」


璃桜にそう言われ、あたしはやっとスマホを取り出したのだった。
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