ストーカー
やっぱりあたしの気のせい?


シャッター音にしても、視線にしてもなにかがおかしい気がする。


あたしは再び前を向いて歩き出した。


その時だった。


「璃桜!」


後方から璃桜を呼ぶ声が聞こえてきて、あたしは思わず飛び上がりそうになってしまった。


勢いよく振り向くと郁が走って来るのが見えた。


「なんだ郁か……」


ホッと胸をなで下ろして息を吐きだした。


あたしが感じた視線は気のせいじゃなかったみたいだ。


「脅かさないでよ」


近づいて来た郁にさっそく文句を言う。


「なんだよ、どうしてそんなに驚くんだ?」


郁は不思議そうな顔をあたしに向ける。


「気にすんな。遙はゲームのしすぎで敏感になってるだけなんだ」


璃桜が郁へ向けて説明している。


なんでもかんでもゲームのせいにされている気がして、なんだか気分が悪くなって来た。


「どうした郁、なにか用事なんだろ?」


「明日の部活、メニュー変更があったんだ」


そう言ってプリントを璃桜に手渡す郁。
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