ストーカー
犯人の正体がわかった瞬間、目に涙が浮かんだ。


西村君は警察から忠告を受けているはずだ。


あたしに近づけば逮捕される。


それを知っていて、こんなことをしているのだ。


とても正気の沙汰とは思えなかった。


西村君は死ぬ覚悟なのかもしれない。


だとしたら、きっとあたしも生きて帰してはもらえないだろう。


「どうして震えてるの?」


西村君が近づいて来て、あたしの前であぐらをかいて座った。

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