ストーカー
「だから、弟に頼んだんだよ」


そう言って、西村君は壁や天井の写真を指先で撫で始めた。


まるで自分が撫でられているような不快感がある。


「最初は遙の写真を撮ってきてもらうだけでよかった。でも、その内俺のことに気が付いてほしいと思いだしたんだ」


「だから、写真を投函したの?」


「その通り」


西村君は嬉しそうだ。


「でもやったのは俺じゃない。俺は指示を出しただけだから」


全部、弟にやらせていたのだろう。


「どうして……弟にそんなことを……!」


さっきの生首を思い出し、また吐き気がした。
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