ストーカー
☆☆☆

「今までどこに行ってた!?」


玄関を開けると同時に、罵声が飛んできた。


「……ごめんなさい」


力なく返事をする。


「フラフラするなとあれほど言っただろ!」


「やめてあなた! 遙はちゃんと帰って来たんだからいいじゃない」


早く自分の部屋に行きたい。


早く眠って、この悪夢のような現実を忘れたい。


「お前が甘やかすから遙は……!」


お父さんの言葉に、あたしの中の糸が切れた。


「全部、あたしのせいにしてればいいじゃん」


そう呟き、笑みを浮かべていたのだ。


「なんだと!?」


みんなみんな、あたしのせいだって言うんだから、もうそれでいいじゃん。


「遙……?」


お母さんが心配そうにして、あたしの腕をつかむ。


けれどあたしはそれを振り払った。


もう……疲れた。
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