ストーカー
「なによみんな。なんか怖いんだけど?」


事情を知らないのはあたし1人のようで、逃げ腰になってしまう。


「お願い遙! これから合コンに付き合って!」


美咲は大きな声で言い、あたしへ向けて手を合わせてきたのだ。


「このとーり!」


他の2人も美咲と同じように手を合わせて頭を下げてきた。


「は? 合コン?」


突然の展開に、驚きに目を見開かずにはいられなかった。


「合コンってなに? 聞いてないし、あたし彼氏いるし!」


左右に首を振って慌てて腰を浮かせた。


しかし、あたしの体は簡単に美咲に押し戻されてしまったのだ。


いつも以上の力で押し戻されたあたしは、美咲が必死なことを理解した。


でも、どうしてそんなに必死に合コンに誘ってくるのかわからなかった。


あたしに彼氏がいることだって、みんな知っているのに……。


「ごめんね遙、あたしたちも悪気があったワケじゃないの。相手に見せた写真の中に遙も一緒に写っててさ『この子が来るなら合ってもいい』って言われちゃって……」


申し訳なさそうに説明する美咲。
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