ストーカー
別人
心配するお母さんを振り切って、あたしは家を飛び出した。


本当は行きたくない。


言いなりになんてなりたくない。


そう思うのに、あたしの行動は恐怖により西村君に支配されてしまっていた。


早足で約束場所のファミレスへと向かう。


店内に入って見回してみると、窓際の席に座っている西村君を見つけた。


スマホを手に持ち、イヤホンを付けている。


あたしは自分を落ち着かせるために呼吸を繰りかえし、ゆっくりと西村君に近づいた。


「あぁ、早かったな」


あたしに気が付いた西村君はそう言い、イヤホンを外した。

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