ストーカー
「なぁ、俺たちは恋人なんだ。もっとリラックスしろよ」


背もたれにもたれかかり、呆れたようにそう言う西村君。


そう言われたって、リラックスなんてできるわけがない。


ファミレスという人目がある場所だから、まだこうして対面して座っていられるのだ。


「俺は遙ちゃんを傷つける気はない。こうして、カップルでいる限りはな」


そう言っていやらしい笑顔を浮かべる西村君。


「カップルじゃなくなったら?」


そう聞いた瞬間、テーブルの下で足を蹴り上げられた。


「……っ!」


痛みに顔をゆがめ、歯を食いしばる。


「どうなるか、試してみるか?」


その質問に左右に首をふった。

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