ストーカー
絶望が頭をもたげてきた時、大きな足音が聞こえて来た。


「やめてあなた!」


お母さんの悲痛な声。


お父さんがこちらへ向かっているようだ。


そう理解しても、体はベッドから起きたがらなかった。


心が重たい分、連動して体も重たくなっている。


「遙!!」


怒鳴り声と共にドアが開けられた。


心臓がドクンッと跳ねて嫌な汗が流れる。


あたしはノロノロとベッドから上半身を起こした。


「お前はいつまでそうしてるつもりだ!」


そう怒鳴り、あたしの机を叩くお父さん。


そんなこと言われたって、自分だってどうにもできない。
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