ストーカー
「どれだけ大変な思いをして、学校へ行かせてると思ってる!」


顔を真っ赤にして怒鳴り続けるお父さん。


「それなら教えてよ……」


震える声で言っていた。


「それなら教えてよ!! あたしはどうしたらいいの!? 外へ出てたらフラフラするなって言われて、閉じこもってたらまた怒られて!! あたしはお父さんのお人形じゃない!!」


怒鳴りつけながら、涙があふれ出していた。


こんなことがいいたいワケじゃない。


本当は、もっと大切なことを言わなきゃいけない。


学校へ行けない理由、今自分の身に起きていることを言わなきゃいけないのに……。


「いつからそんな事言うようになったんだ!」


あたしの反抗を見たお父さんが手を振り上げていた。


よける暇はない。


お母さんの悲鳴が聞こえてきて、痛みが頬を貫いた。
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