ストーカー
☆☆☆

西村君の言うことは絶対だ。


翌日、あたしは久しぶりに制服を着て通学路を歩いていた。


行きかう人々と通り過ぎるだけで、いちいちビクビクしてしまう。


どこに西村君がいるかわからない。


突然飛び出してきて、果物ナイフで刺されるかもしれない。


そんな恐怖が常に付きまとって来た。


なんとか学校までたどり着いても、あたしの心は休まらなかった。


「おはよう」


日菜と美咲へそう声をかけても、返事がなかったのだ。


日菜はおどおどとした表情をこちらへ向け、美咲はあたしを見てくれない。
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